貧血と赤血球が多い状態はどう違う?多血症の原因と分類を解説!|医療法人良樹会T内科クリニック堺院|堺市北区新金岡町の内科・訪問診療

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医療コラム

貧血と赤血球が多い状態はどう違う?多血症の原因と分類を解説!|医療法人良樹会T内科クリニック堺院|堺市北区新金岡町の内科・訪問診療

貧血と赤血球が多い状態はどう違う?多血症の原因と分類を解説!

「貧血」という言葉を聞くと、赤血球が少ない状態を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実は赤血球が基準値よりも多くなる「赤血球が多い」状態も存在します。
この状態は多血症と呼ばれ、血液の粘りが増すことで体の隅々への血液循環が悪くなり、貧血と似たような倦怠感やめまい、頭痛といった症状が現れることがあります。
一見逆のように思えるこれらの状態は、それぞれ異なる原因とリスクを抱えています。
赤血球が多い状態について、詳しく見ていきましょう。

赤血球が多い状態と貧血の違い

赤血球が多いとは多血症のこと

「赤血球が多い」といわれた場合、それは「赤血球増多症」または「多血症」と呼ばれる状態を指します。
これは、血液中の赤血球の数が健康な基準値を超えて増加している状態です。
赤血球は体内に酸素を運ぶ重要な役割を担っていますが、その数が増えすぎると血液全体の粘り気(粘稠度)が増し、血液がドロドロになりやすくなります。
この状態が、全身の血液循環を滞らせる原因となります。

貧血と似た症状が出る理由

貧血と多血症で似た症状が出ることがあるのは、どちらも全身の血液循環や酸素供給に影響を与えるためです。

貧血では、赤血球の数が少ない、あるいはヘモグロビン濃度が低いために、全身に十分な酸素を運ぶことができず、倦怠感や息切れ、めまいなどを感じます。

一方、多血症では、赤血球の数が増えすぎることで血液の粘稠度が増し、血液が流れにくくなります。
この血液循環の悪化が、貧血と同様に、頭痛、めまい、倦怠感、息苦しさ、知覚異常といった症状を引き起こす原因となります。
ただし、多血症では貧血とは異なり、顔面紅潮や皮膚のかゆみといった症状が見られることもあります。
さらに進行すると、血管内に血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な合併症を引き起こすリスクが高まることが問題となります。

赤血球が増える原因と分類

赤血球が増加する原因は多岐にわたり、その原因によっていくつかの種類に分類されます。
主な原因としては、骨髄における赤血球の産生異常や、体が酸素不足を感じて赤血球の産生を促すホルモン(エリスロポエチン)の分泌が増加することなどが挙げられます。

多血症の主な原因

多血症の原因は、赤血球の数自体は正常なのに血液中の水分が減って見かけ上濃縮される場合と、実際に赤血球が過剰に作られる場合に大別されます。
後者の、赤血球が実際に増えるケースには、血液を作る骨髄に異常が起きる場合や、体が酸素不足の状態にあるために赤血球の産生を促すホルモン(エリスロポエチン)が過剰に分泌される場合があります。
また、ストレスが関与することもあります。

赤血球増多症の3つの種類

赤血球増多症は、その原因やメカニズムによって、主に以下の3つの種類に分類されます。

1.相対的赤血球増多症
赤血球の数自体が増加しているわけではなく、血液の液体成分(血漿)が減少し、赤血球の濃度が見かけ上高くなっている状態です。
脱水(激しい嘔吐、不十分な水分摂取)、利尿剤の使用、高度のやけど、またストレスなどが原因で、体液量が急激に減少する際に起こります。

2.真性赤血球増多症(真性多血症)
骨髄の造血幹細胞に異常が生じ、赤血球が実際に増加する病気です。
白血球や血小板の増加を伴うこともあります。
この病気の多くは、JAK2という遺伝子の変異が関係しています。
年間の発症は10万人に1〜2人程度で、50〜60代の男性に比較的多く見られます。

3.二次性赤血球増多症
慢性的な呼吸不全(睡眠時無呼吸症候群など)、心疾患、喫煙、あるいは高地での生活など、体が慢性的な低酸素状態に置かれることで、赤血球の産生を促進する造血因子エリスロポエチンの産生が増加し、赤血球数が増加する状態です。
腎臓の病気(腎がんなど)や、男性ホルモン剤、一部の薬剤が原因となることもあります。

まとめ

赤血球が多い状態は「多血症」と呼ばれ、単に赤血球が少ない「貧血」とは異なる状態です。
多血症では、血液の粘稠度が増すことで血流が悪化し、頭痛やめまいなど貧血と似た症状が現れることがあります。
しかし、顔面の紅潮やかゆみ、そして血栓症による脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な合併症のリスクが高まる点では、貧血とは大きく異なります。
多血症は、体液量の減少による相対的なもの、骨髄の異常によるもの、体の低酸素状態によるものなど、原因によっていくつかの種類に分類されます。
ご自身の状態を正確に把握し、適切な診断と対応を受けることが大切です。