メトホルミンダイエットは痩せないって本当?効果が出ない人の特徴と正しい対処法
- 2025年12月18日
- メディカルダイエット

「メトホルミンを飲んでいるのに全然痩せない…」「1ヶ月経ったけど体重が減らない…」そんな悩みを抱えていませんか?
メトホルミンはダイエット効果があると話題になっていますが、実際には「痩せない」という声も少なくありません。
この記事では、メトホルミンダイエットで痩せない原因と対処法を医学的な根拠に基づいて解説します。
効果が出ない人の特徴、効果が現れるまでの期間、何キロ痩せるかのデータ、リベルサスとの比較まで、知りたい情報をすべてお伝えします。
※ 本記事で取り扱う薬品は処方箋医薬品のため、医師の診察・処方が必要です。
※ 本記事で紹介する価格は2025年12月現在の情報です。
※ ダイエット目的での使用は適応外使用となり、保険適用外(自費診療)です。
目次
メトホルミンダイエットで「痩せない」は本当?
結論から言うと、メトホルミンで「痩せない」という声が出るのは事実です。
しかし、それにはきちんとした理由があります。
メトホルミンの本来の役割と、ダイエット効果の仕組みを正しく理解することが、成功への第一歩です。
メトホルミンは糖尿病治療薬であり、ダイエット薬ではない
メトホルミンは、2型糖尿病の治療薬として開発・承認された医薬品です。
肥満治療(ダイエット目的)での使用は国内未承認の「適応外使用」にあたります。
メトホルミンの主な作用は以下の3つです。
メトホルミンの3つの作用機序
- 肝臓での糖新生を抑制:肝臓が新たにブドウ糖を作り出すのを抑え、血糖値の上昇を防ぐ
- インスリン感受性を改善:細胞がインスリンに反応しやすくなり、血糖が効率よく利用される
- 腸管での糖吸収を抑制:食事から摂取した糖の吸収を穏やかにする
これらの作用により、血糖コントロールが改善され、結果として体重が減少する可能性があるというのがメトホルミンのダイエット効果です。
つまり、GLP-1受容体作動薬(リベルサスなど)のように「食欲を直接抑える」薬とは根本的に異なります。
例えば、リベルサスを服用すると「お腹が空かなくなった」「食べる量が自然と減った」と感じる人が多いですが、メトホルミンではそこまで強い食欲抑制効果は期待できません。
あくまで「太りにくくする」「血糖値の乱高下を防ぐ」という作用であり、劇的な体重減少は期待しづらいのです。
「痩せない」という声が出る背景と3つの理由
メトホルミンで「痩せない」と感じる人が多い理由は、主に以下の3点です。
それぞれ詳しく解説します。
【理由1】効果がマイルドで実感しにくい
メトホルミンは複数の試験で、平均2〜3kg程度の体重減少が報告されています。
例えば、70kgの人が68kgになったとしても、見た目や体感としての変化はわずかです。
「痩せた!」と実感するには、多くの人が5kg以上の減量を期待しますが、メトホルミン単独ではそこまでの効果は難しいのが現実です。
【理由2】効果が出るまでに時間がかかる
一部の臨床試験では、有意な体重減少が確認されたのは服用開始から26週後(約6ヶ月)以降という報告もあります。
多くの人は「1ヶ月飲んでも変化がない」と諦めてしまいますが、メトホルミンは短期間で結果が出る薬ではありません。
最低でも3〜6ヶ月は継続する必要があります。
【理由3】効果には大きな個人差がある
メトホルミンの効果は、体質や生活習慣によって大きく異なります。
特に、もともとインスリン抵抗性が高い人(肥満体型、内臓脂肪が多い人など)では効果を実感しやすい一方、標準体重に近い人や健康的な生活を送っている人では効果が出にくい傾向があります。
メトホルミンで効果を感じやすい人の特徴
- BMI25以上の肥満体型の人
- 内臓脂肪が多い人
- 血糖値が高め・境界型糖尿病の人
- インスリン抵抗性が高い人
つまり、「すぐに劇的に痩せる」ことを期待してメトホルミンを始めると、失望しやすいのです。
正しい期待値を持ち、長期的な視点で取り組むことが成功の鍵です。
メトホルミンダイエットで痩せない人の5つの特徴
メトホルミンを服用しても効果が出ない人には、共通する特徴があります。
以下の5つの項目に当てはまっていないかチェックしてみてください。
1つでも当てはまる場合は、そこを改善することで効果が出る可能性があります。
痩せない人の5つの特徴チェックリスト
☐ 服用期間が3ヶ月未満
☐ もともと標準体重に近い(BMI22〜24程度)
☐ 食事量が服用前と変わっていない
☐ 運動習慣がない・座りっぱなしの生活
☐ インスリン抵抗性が低い体質
特徴1:服用期間が短い(3ヶ月未満で諦めている)
メトホルミンの効果発現には時間がかかります。
臨床試験では、26週後(約6ヶ月)から有意な体重減少が確認されています。
数週間〜1ヶ月で「効かない」と判断するのは早すぎます。
【よくあるパターン】
「1ヶ月飲んだけど1kgも減らない。やっぱりメトホルミンは効かないんだ…」と服用をやめてしまう人がとても多いです。
しかし、1ヶ月で効果を判断するのは時期尚早です。
メトホルミンは、体内の代謝を徐々に改善していく薬です。服用を始めてすぐに体重が落ちるわけではなく、まず血糖コントロールが安定し、インスリンの効きが良くなり、その結果として脂肪が燃焼しやすい体質に変わっていきます。
このプロセスには数ヶ月かかるのが普通です。
効果を実感するための目安期間
- 1ヶ月:まだ効果を判断するには早い。消化器症状が落ち着く時期
- 3ヶ月:体の変化を感じ始める人も。この時点で継続を判断
- 6ヶ月:臨床試験で有意な効果が確認された期間。ここまで続けて効果判定
特徴2:もともと標準体重に近い(BMI22〜24程度)
メトホルミンはインスリン抵抗性を改善する薬です。
そのため、肥満やインスリン抵抗性が高い人ほど効果を実感しやすい傾向があります。
すでに標準体重に近い人は、効果を感じにくいことがあります。
【なぜ標準体重の人に効きにくいのか】
標準体重の人は、そもそもインスリン抵抗性が低いことが多いです。
メトホルミンは「インスリン抵抗性を改善することで体重減少につながる」薬なので、改善すべきインスリン抵抗性がなければ効果は限定的になります。
例えば、BMI28の人がメトホルミンを服用すると、インスリンの効きが良くなることで体重が減りやすくなります。
しかし、BMI22の人ではもともとインスリンは正常に機能しているため、改善の余地が少ないのです。
| BMI | メトホルミンの効果傾向 |
|---|---|
| BMI30以上(肥満2度以上) | 効果を実感しやすい。インスリン抵抗性が高い傾向にあり、改善効果が出やすい |
| BMI25〜30(肥満1度) | 効果を実感できる可能性あり。生活習慣改善との併用で効果アップ |
| BMI22〜25(普通体重) | 効果が限定的になりやすい。他の方法を検討した方がよい場合も |
| BMI22未満(やせ型) | 効果はほぼ期待できない。そもそもダイエットの必要がない場合も |
特徴3:食事量が変わっていない(薬だけに頼っている)
メトホルミンを服用しても、食事量が変わらなければ痩せません。
メトホルミンは「太りにくくする」作用であり、摂取カロリーを大幅に減らす効果はありません。薬に頼りすぎて食べ過ぎると、効果が打ち消されてしまいます。
【よくある失敗パターン】
「メトホルミンを飲んでいるから大丈夫」と安心してしまい、いつも通りの食事を続けてしまうケースです。
特に以下のような食生活は、メトホルミンの効果を打ち消してしまいます。
メトホルミンの効果を打ち消すNG食生活
- 白米・パン・麺類を大量に食べる:糖質過多は血糖値を急上昇させ、インスリン分泌を促進
- 甘い飲み物(ジュース・清涼飲料水)を飲む:液体の糖質は吸収が早く、血糖値が急上昇
- 夜遅くに食事をする:就寝前の食事は脂肪として蓄積されやすい
- 間食・お菓子をやめない:血糖値が常に高い状態が続き、脂肪が燃焼しにくい
メトホルミンは魔法の薬ではありません。食事管理との併用が必須であることを忘れないでください。
特徴4:運動習慣がない(座りっぱなしの生活)
メトホルミン単独での減量には限界があります。
運動療法はインスリン感受性を高め、メトホルミンの効果を補完します。有酸素運動との併用で、減量効果が相乗的に高まります。
【臨床試験のデータ】
運動をすると、筋肉がブドウ糖を消費するため血糖値が下がります。
また、定期的な運動は筋肉量を維持・増加させ、基礎代謝を高めます。メトホルミンのインスリン感受性改善効果と、運動による筋肉でのブドウ糖消費が組み合わさることで、より効率的な体重減少が期待できます。
メトホルミンと相性のいい運動
- ウォーキング:毎日30分程度。通勤時に1駅歩くだけでも効果あり
- 軽いジョギング:週3〜4回、20〜30分程度
- 水泳・アクアウォーキング:関節への負担が少なく、肥満の人におすすめ
- 筋トレ:筋肉量を増やして基礎代謝アップ。スクワットなどの大きな筋肉を使う運動が効果的
デスクワークで1日中座りっぱなしの人は、意識的に体を動かす機会を作りましょう。
エレベーターではなく階段を使う、ランチは少し遠くの店まで歩くなど、日常生活に運動を取り入れることが大切です。
特徴5:インスリン抵抗性が低い体質
もともとインスリン抵抗性が低い人は、メトホルミンの効果を実感しにくい傾向があります。
メトホルミンはインスリン抵抗性を改善することで血糖コントロールと体重減少に寄与するため、抵抗性が低い人には効果が限定的です。
インスリン抵抗性が低い人の特徴
- 空腹時血糖値が正常範囲(100mg/dL未満)
- HbA1cが正常範囲(5.6%未満)
- 内臓脂肪が少ない
- 食後に強い眠気を感じない
- 甘いものを食べても異常な空腹感が起きない
これらに当てはまる人は、メトホルミンよりも他のダイエット方法(食事管理、運動、GLP-1受容体作動薬など)の方が効果的かもしれません。
自分の体質に合った方法を選ぶことが重要です。
インスリン抵抗性が高いかどうかは、健康診断の結果や血液検査で確認できます。気になる場合は、医師に相談してみてください。
メトホルミンダイエットの効果はいつから出る?期間別の目安
「メトホルミンの効果はいつから出るの?」という疑問に、期間別の目安で回答します。焦らず継続することが重要です。以下の表で、各期間に期待できる変化を確認しましょう。
| 期間 | 期待できる変化 | この時期のポイント |
|---|---|---|
| 2〜4週間 | 食欲抑制を感じ始める人も | 体重変化はまだ少ない。副作用が落ち着く時期 |
| 1〜3ヶ月 | 体重が少し減り始める人も | 0.5〜1kg程度の変化。諦めずに継続が大切 |
| 3〜6ヶ月 | 有意な体重減少が確認される期間 | 臨床試験で効果が認められた期間。ここで効果判定 |
| 6ヶ月〜1年 | 安定した効果を実感 | 長期継続で体重維持が可能。リバウンド防止 |
※効果には個人差があります
2〜4週間:副作用が落ち着き、食欲の変化を感じ始める時期
服用開始から2〜4週間は、主に体がメトホルミンに慣れる期間です。
多くの人がこの時期に消化器症状(吐き気、下痢、腹痛など)を経験しますが、1〜2週間で症状は落ち着くことがほとんどです。
2〜4週間で感じやすい変化
- 消化器症状:吐き気、胃もたれ、下痢、腹痛など。徐々に軽減
- 食欲の変化:早い人では食欲が落ち着いてくるのを感じる
- 血糖値の安定:食後の強い眠気が軽減する人も
この段階では体重の変化はほとんどありません。
「全然効かない」と感じても、これは正常な経過です。メトホルミンにはGLP-1分泌を促進する作用があり、食欲抑制効果が比較的早く現れる人もいます。
(※2〜4週間で「食欲が落ち着いた」と感じる人もいますが、はっきりした効果が出ない人も一定数はいます)
ただし、体重減少はまだ先の話です。
この時期の過ごし方のコツは、副作用がつらい場合は医師に相談し、食事と一緒に服用するなど工夫することです。ここで諦めずに継続することが大切です。
1〜3ヶ月:体重の変化が出始める人も現れる時期
1〜3ヶ月で体重に変化が出始める人もいますが、この段階での減量は0.5〜1kg程度が一般的です。
「たった1kgか…」と思うかもしれませんが、これは体が確実に変化し始めている証拠です。
体重計の数字以外にも、さまざまな変化を感じる人がいます。
1〜3ヶ月で感じやすい変化
- お腹周りがスッキリ:内臓脂肪が減少し、ウエストが少し細くなる
- 食後の眠気が減る:血糖値の乱高下が抑えられ、食後も元気に過ごせる
- 甘いものへの欲求が減る:血糖値が安定することで、異常な空腹感が減少
- 体が軽く感じる:代謝が改善され、疲れにくくなる人も
低カロリー食とメトホルミンを併用した場合、1ヶ月ほどで体重変化を感じるケースも報告されています。
食事管理と運動を併用している人ほど、この時期に効果を実感しやすい傾向があります。
3〜6ヶ月:臨床試験で有意な減量効果が確認された重要な期間
臨床試験では3〜6ヶ月の継続で有意な体重減少が確認されており、この期間が効果判定の目安となります。
ここまで継続できた人は、確実に効果を実感できる可能性が高くなります。
【臨床試験のデータ】
日本人を対象とした臨床試験では、以下のような結果が報告されています。
| 試験期間 | 結果 |
|---|---|
| 26週後(約6ヶ月) | プラセボ群と比較して有意な体重減少が確認 |
| 54週後(約1年) | 約1kgの体重減少を維持 |
「6ヶ月で1kg?少なすぎない?」と思うかもしれません。
しかし、これは「何もしなければ太っていたかもしれない体重を維持できた」という意味でもあります。
また、臨床試験は厳密な条件下で行われるため、実際の生活で食事管理や運動を併用すれば、もっと大きな効果が期待できます。
この期間に効果を感じない場合は、医師に相談して用量の調整や他の薬への変更を検討しましょう。
6ヶ月〜1年:安定した効果を実感し、体重維持ができる期間
6ヶ月〜1年継続することで、安定した減量効果と体重維持が期待できます。
この期間まで継続できた人は、リバウンドしにくい体質に変わっている可能性があります。
6ヶ月以上継続するメリット
- 体重維持効果:54週後(約1年)で約1kgの減量維持が報告されている
- リバウンド防止:急激なダイエットと違い、ゆっくり減量した体重は維持しやすい
- 代謝改善の定着:インスリン感受性の改善が定着し、太りにくい体質に
- 生活習慣の改善:服用期間中に身につけた食事・運動習慣が継続できる
メトホルミンは「短期間で急激に痩せる薬」ではありませんが、長期的に継続することで、体重増加を抑えたり代謝を改善できる可能性がある薬です。
焦らず、ゆっくりと取り組むことが成功の秘訣です。
メトホルミンダイエットは何キロ痩せる?データで見る減量効果
「メトホルミンで何キロ痩せるの?」という疑問に、臨床試験データに基づいて回答します。
過度な期待は禁物ですが、正しい期待値を持つことで、継続しやすくなります。
臨床試験データで見るメトホルミンの減量効果
複数の臨床試験を総合すると、メトホルミンの減量効果は以下のようになります。
| 用量 | 期間 | 減量効果 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1,700〜2,550mg/日 | 1ヶ月〜1年 | 2〜6.7kg | 複数の海外臨床試験の結果 |
| 日本人対象試験 | 26週後 | 有意な減量開始 | プラセボ群との比較で有意差 |
| 日本人対象試験 | 54週後 | 約1kg維持 | 長期的な体重維持効果 |
※複数の臨床試験結果を集約。効果には個人差があります。
【データの読み方】
「2〜6.7kg」という幅が大きいのは、試験の条件や対象者によって結果が異なるためです。一般的に、以下の条件で効果が高くなります。
減量効果が高くなる条件
- 用量が多い(1,500mg/日以上)
- 服用期間が長い(6ヶ月以上)
- もともとの体重が多い(BMI30以上)
- 食事療法・運動療法を併用している
1ヶ月で何キロ痩せる?現実的な期待値と心構え
1ヶ月では大きな変化は期待できません。0〜1kg程度の減量が現実的な目安です。
メトホルミンは即効性のある薬ではなく、効果発現には時間がかかります。
【1ヶ月で1kgの意味】
「1ヶ月で1kgしか痩せない」と思うかもしれませんが、これを1年続けると12kgの減量になります。急激なダイエットと違い、ゆっくり減量した体重はリバウンドしにくいという大きなメリットがあります。
また、体重計の数字に現れなくても、体の中では変化が起きています。
体重に現れにくい1ヶ月目の変化
- 内臓脂肪の減少(体重より先にお腹周りがスッキリ)
- 血糖値の安定(食後の眠気や空腹感が減少)
- むくみの改善(見た目がスッキリする人も)
過度な期待は禁物
- メトホルミンは「劇的に痩せる薬」ではありません
- 平均的な減量効果は2〜3kg程度です
- 効果には大きな個人差があり、必ず痩せるわけではありません
- 「1ヶ月で5kg痩せる」といった期待は現実的ではありません
平均的な減量幅と個人差を左右する要因
メトホルミンの平均的な減量効果は2〜3kg程度とされています。
ただし、効果には大きな個人差があり、「5kg以上痩せた」という人もいれば、「全く変わらなかった」という人もいます。
■個人差を左右する5つの要因
| 要因 | 効果が出やすい | 効果が出にくい |
|---|---|---|
| もともとの体重 | BMI30以上の肥満 | 標準体重に近い |
| インスリン抵抗性 | 高い(血糖値が高め) | 低い(血糖値が正常) |
| 食事管理 | 糖質制限・カロリー制限併用 | 食事内容を変えない |
| 運動習慣 | 週3回以上の有酸素運動 | 運動しない |
| 服用期間 | 6ヶ月以上継続 | 3ヶ月未満で中止 |
結論として、メトホルミンは「飲むだけで痩せる魔法の薬」ではありません。食事管理と運動を併用し、長期的に継続することで効果を発揮する薬です。
メトホルミンで痩せない場合の5つの対処法
メトホルミンを服用しても効果が出ない場合、以下の5つの対処法を試してみてください。順番に実践することで、効果が出る可能性があります。
痩せない場合の5つの対処法
- 対処法1:医師に相談し用量を見直す
- 対処法2:服用期間を最低3〜6ヶ月継続する
- 対処法3:食事内容を見直す
- 対処法4:有酸素運動を取り入れる
- 対処法5:他の薬との併用や変更を検討する
対処法1:医師に相談し用量を見直す
効果が出ない場合は、まず医師に相談して用量の調整を検討しましょう。
メトホルミンは250mg〜2,250mgまで用量幅があり、用量を増やすことで効果が高まる可能性があります。
■用量と効果の関係
| 用量 | 一般的な使い方 | 効果の目安 |
|---|---|---|
| 250〜500mg/日 | 開始用量、副作用が心配な人 | 効果は限定的な場合が多い |
| 750〜1,000mg/日 | 一般的な維持用量 | 効果を実感し始める人も |
| 1,500〜2,250mg/日 | 効果を最大化したい場合 | 臨床試験で高い効果が確認された用量 |
ただし、用量を増やすと副作用リスクも高まります。特に消化器症状(下痢、吐き気など)が出やすくなるため、必ず医師の判断で行ってください。
自己判断で用量を変更することは絶対にやめましょう。
【医師に相談する際のポイント】
- 現在の用量と服用期間を伝える
- 副作用の有無を伝える
- 食事・運動の状況を伝える
- 体重の推移を記録して持参する
対処法2:服用期間を最低3〜6ヶ月継続する
効果判定には最低3〜6ヶ月の継続が必要です。
臨床試験で有意な効果が確認されたのは26週後(約6ヶ月)以降です。短期間で諦めずに継続することが重要です。
メトホルミンを継続するための5つのコツ
- 体重以外の変化にも注目する:ウエストサイズ、体調、食欲の変化など
- 週1回の体重測定に留める:毎日測ると変動に一喜一憂して疲れる
- 副作用がつらい時は医師に相談:用量調整や服用タイミングの工夫で改善できることも
- 食事と一緒に服用する:空腹時より副作用が出にくい
- 定期的に医師の診察を受ける:モチベーション維持と経過観察のため
「3ヶ月経っても効果がない」という場合でも、6ヶ月まで継続してみることをおすすめします。6ヶ月継続しても全く効果がない場合は、他の方法を検討する時期かもしれません。
対処法3:食事内容を見直す
メトホルミンに頼りすぎず、食事内容を見直すことで効果が高まります。メトホルミンの効果を最大化するには、糖質管理が特に重要です。
食事改善の5つのポイント
- 糖質を適度に制限する:白米は茶碗半分に、パンや麺類は控えめに
- 野菜→たんぱく質→糖質の順で食べる:血糖値の急上昇を防ぐ「食べ順ダイエット」
- 間食を減らす・置き換える:お菓子→ナッツやチーズに置き換え
- アルコールを控える:アルコールは血糖値を乱高下させ、食欲を増進させる
- 夜9時以降は食べない:就寝前の食事は脂肪として蓄積されやすい
■1日の食事例
| 食事 | おすすめメニュー例 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝食 | 卵料理、サラダ、ヨーグルト、少量のパン | たんぱく質をしっかり摂る |
| 昼食 | 定食(ご飯少なめ)、サラダ多め | 野菜から先に食べる |
| 夕食 | 魚や肉のメイン、野菜たっぷり、ご飯控えめ | 夜は糖質を特に控える |
| 間食 | ナッツ、チーズ、ハイカカオチョコ | 血糖値を上げにくいものを選ぶ |
対処法4:有酸素運動を取り入れる
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れることで、減量効果が高まります。運動療法はインスリン感受性を高め、メトホルミンの効果を補完します。
■おすすめの運動プラン
| 運動強度 | おすすめの人 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 軽め | 運動習慣がない人、体重が重い人 | 毎日20〜30分のウォーキング、通勤時に1駅歩く |
| 中程度 | 少し運動に慣れてきた人 | 週3〜4回、30〜40分の早歩きやスロージョギング |
| しっかり | 運動習慣がある人、もっと効果を出したい人 | 週4〜5回、40〜60分のジョギングや水泳 |
運動を続けるための4つのコツ
- 「ながら運動」を取り入れる:テレビを見ながらステッパー、歯磨きしながらスクワットなど
- 日常生活に組み込む:エレベーターではなく階段、近い距離は歩くなど
- 無理をしない:最初は10分から始めて徐々に増やす
- 記録をつける:スマホアプリで歩数や運動時間を記録すると達成感が得られる
対処法5:他の薬との併用や変更を検討する
メトホルミン単独で効果が出ない場合、他の薬との併用や変更を医師に相談してみましょう。
異なる作用機序の薬を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
■併用・変更の選択肢
| 薬の種類 | 作用機序 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| SGLT2阻害薬(フォシーガ等) | 余分な糖を尿として排出 | メトホルミンと併用で相乗効果。体重減少効果も | 尿路感染症のリスク、頻尿 |
| GLP-1受容体作動薬(リベルサス等) | 食欲を強力に抑制 | ダイエット効果が高い。メトホルミンより効果を実感しやすい | 価格が高い(月1〜3万円)、消化器症状 |
| 漢方薬(防風通聖散等) | 代謝促進、便秘改善 | 比較的副作用が少ないとされる | 効果がマイルド、効くまで時間がかかる |
特にGLP-1受容体作動薬(リベルサス等)への変更や併用は、メトホルミンで効果が出なかった人に効果的なことが多いです。
価格は高くなりますが、強力な食欲抑制効果があり、「食べる量が自然と減った」と実感する人が多いです。
メトホルミンとリベルサスはどっちがいい?違いを徹底比較
「メトホルミンとリベルサス、どっちがダイエットに効くの?」という疑問に、作用機序、効果、価格などを比較して詳しく解説します。
作用機序の違い:体への働きかけ方が根本的に異なる
メトホルミンとリベルサスは、作用機序が根本的に異なります。
この違いを理解することで、自分に合った薬を選びやすくなります。
| 項目 | メトホルミン | リベルサス |
|---|---|---|
| 薬の分類 | ビグアナイド薬 | GLP-1受容体作動薬 |
| 主な作用 | インスリン抵抗性の改善、肝臓での糖新生抑制 | 食欲抑制、胃排出遅延、血糖依存的なインスリン分泌促進 |
| ダイエット効果の仕組み | 血糖コントロール改善→太りにくくなる | 食欲が落ちる→食べる量が減る→痩せる |
| 投与方法 | 1日2〜3回内服 | 1日1回内服(空腹時) |
メトホルミンとリベルサスの違い
- メトホルミン:「太りにくい体質を作る」薬。効果は穏やか。食欲はあまり変わらない
- リベルサス:「食欲を直接抑える」薬。効果を実感しやすい。「お腹が空かない」と感じる人が多い
ダイエット効果の違い:リベルサスの方が効果を実感しやすい
一般的に、ダイエット効果はリベルサス(GLP-1)の方が高いとされています。
GLP-1受容体作動薬は強力な食欲抑制効果があり、臨床試験でもより大きな体重減少が報告されています。
| 項目 | メトホルミン | リベルサス |
|---|---|---|
| 減量効果 | マイルド(2〜3kg程度) | 高い(条件が合えば5〜10kg以上痩せる人もいる) |
| 食欲抑制 | 弱い〜中程度 | 強力(「お腹が空かない」と感じる人多数) |
| 効果発現 | 3〜6ヶ月かかる | 2〜4週間で実感する人も |
| 効果の実感しやすさ | △ 実感しにくい | ○ 実感しやすい |
価格と向いている人の違い:コストと効果のバランスで選ぶ
メトホルミンは安価で始めやすく、リベルサスは高価だが効果が高いという特徴があります。
自分の予算と目標に合わせて選ぶことが大切です。
| 項目 | メトホルミン | リベルサス |
|---|---|---|
| 月額費用(薬代のみ) | 約1,500〜3,000円 | 約8,000〜30,000円(用量・クリニックにより大きく変動) |
| 6ヶ月の費用 | 約9,000〜18,000円 | 約48,000〜180,000円 |
| コストパフォーマンス | ◎ 安価で始めやすい | △ 費用は高めだが、メトホルミンより大きな体重減少が報告された試験もある |
※2025年12月時点の参考価格。自由診療のため、クリニックにより異なります。なお、別途、診察料・送料がかかることがあります。
■どちらを選ぶべき?
| こんな人におすすめ | おすすめ |
|---|---|
| コストを抑えたい、穏やかに痩せたい | メトホルミン |
| インスリン抵抗性が高い(BMI30以上など) | メトホルミン |
| まずは試してみたい(入門編として) | メトホルミン |
| しっかり効果を出したい、早く結果がほしい | リベルサス |
| 食欲が抑えられない、つい食べ過ぎてしまう | リベルサス |
| メトホルミンで効果が出なかった | リベルサス |
なお、メトホルミンとリベルサス(GLP-1)の併用という選択肢もあります。
異なる作用機序の薬を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。併用を検討する場合は、必ず医師に相談してください。
メトホルミンダイエットの効果と口コミ
メトホルミンダイエットの実際の口コミ・評判を紹介します。良い口コミ・悪い口コミの両方を見て、リアルな効果をイメージしましょう。
良い口コミ(効果を感じた人の声)
- 「食欲が落ち着いて、自然と食べる量が減りました。以前は夕食後にお菓子を食べていましたが、それがなくなりました。3ヶ月続けて2kg減量できました。劇的ではないけど、無理なく続けられています。」/40代女性・服用3ヶ月
- 「血糖値が安定して、甘いものへの欲求が減った気がします。以前は15時頃になると猛烈にチョコレートが食べたくなっていましたが、それがなくなりました。体重も少しずつ減っています(6ヶ月で3kg)。」/50代男性・服用6ヶ月
- 「リベルサスは高くて続けられなかったのですが、メトホルミンなら月3,000円程度なので続けやすいです。効果はリベルサスほどではないですが、確実に体重は減ってきています。」/30代女性・服用4ヶ月
悪い口コミ(効果を感じなかった人の声)
- 「2ヶ月飲んでいますが、全然痩せません。体重は100g単位で増減しているだけで、ダイエット効果は感じられません。期待しすぎたのかもしれません。もう少し続けてみますが…」/30代女性・服用2ヶ月
- 「お腹が緩くなる副作用がつらくて、続けられませんでした。下痢が毎日続いて、仕事に支障が出るレベルでした。合う人と合わない人がいるのだと思います。」/40代男性・服用2週間で中止
- 「もともと標準体重に近かったせいか、全く効果がありませんでした。4ヶ月続けましたが、体重変化はほぼゼロ。結局リベルサスに変更したら、そちらは効果がありました。」/20代女性・服用4ヶ月
口コミから見える傾向と成功のポイント
口コミ全体を通じて見えてくるポイントをまとめます。
- 効果には大きな個人差がある:「食欲が落ち着いた」という声がある一方で、「全然効かない」という声も
- 継続期間が重要:1〜2ヶ月で効果を感じない人も、3〜6ヶ月継続で変化を実感するケースあり
- 副作用で脱落する人がいる:消化器症状(下痢、吐き気)がつらくて続けられない人も一定数いる
メトホルミンダイエットで成功している人の特徴
- 3ヶ月以上継続している
- 食事管理を併用している
- 運動を取り入れている
- 過度な期待をせず、ゆっくり痩せることを受け入れている
- 副作用が出ても、医師と相談しながら乗り越えている
メトホルミンダイエットの副作用と注意点
メトホルミンを使用する前に、副作用とリスクについて理解しておきましょう。
特に重大な副作用である乳酸アシドーシスについては、必ず知っておく必要があります。
主な副作用(消化器症状)とその対処法
メトホルミンの最も一般的な副作用は消化器症状です。
服用者の約10〜30%が経験するとされていますが、多くの場合は体が慣れてくると軽減します。
メトホルミンの主な副作用
- 吐き気・嘔吐:服用開始時に多い。食事と一緒に服用することで軽減できることも
- 下痢・軟便:比較的よくみられる副作用。水分補給を心がける
- 腹痛・胃もたれ:空腹時の服用で起きやすい。食後服用に変更で改善することも
- 食欲不振:食欲が過度に落ちることも。栄養不足に注意
- 味覚異常:金属のような味を感じる人もいる
■副作用への対処法
| 副作用 | 対処法 |
|---|---|
| 吐き気・胃もたれ | 食事と一緒に服用する、用量を減らして徐々に増やす |
| 下痢・軟便 | 水分をしっかり摂る、整腸剤を併用する(医師に相談) |
| 腹痛 | 空腹時を避けて服用する、用量を分けて服用する |
| 全般 | 1〜2週間で軽減することが多い。つらい場合は医師に相談 |
重大な副作用(乳酸アシドーシス)について
まれですが、乳酸アシドーシスという重大な副作用があります。
発生率は約0.03〜0.05件/1,000人年と低いですが、発症すると致死率が高い(約25〜50%:報告によって異なる)ため、必ず知っておく必要があります。
【乳酸アシドーシスとは】
血液中に乳酸が異常に蓄積する状態です。メトホルミンは乳酸の代謝を抑制する作用があり、腎機能が低下している人や脱水状態の人では乳酸が体内に蓄積しやすくなります。
乳酸アシドーシスの初期症状
- 吐き気・嘔吐が急に強くなる
- 腹痛
- 過度の倦怠感・脱力感
- 筋肉痛
- 呼吸が速くなる・息苦しい
- 意識がもうろうとする
これらの症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、救急医療機関を受診してください。
【乳酸アシドーシスのリスクが高い人】
- 腎機能が低下している人
- 脱水状態の人(激しい下痢・嘔吐、過度の発汗時)
- 過度のアルコール摂取者
- 心不全など心臓に問題がある人
- 造影剤を使用するCT検査を受ける人(一時的に服用を中止する必要あり)
禁忌事項(服用できない人)と注意事項
以下に該当する方は、メトホルミンを使用できません。必ず医師に伝えてください。
メトホルミンの禁忌事項
- 腎機能障害がある方:乳酸アシドーシスのリスクが高まる
- 重度の肝機能障害がある方:乳酸の代謝が低下する
- 心血管系、肺機能に高度の障害がある方:組織の酸素供給が低下している
- 過度のアルコール摂取者:乳酸アシドーシスのリスク増加
- 脱水症状、脱水状態が懸念される方:乳酸アシドーシスのリスク増加
- 妊娠中・授乳中の方:安全性が確立していない
- メトホルミンに過敏症の既往がある方
また、ダイエット目的での使用は適応外使用であり、一定のリスクがあることを理解した上で使用してください。個人輸入や処方箋なしでの購入は危険です。必ず医師の診察を受けてから使用してください。
メトホルミンダイエットに関するよくある質問
Q1. メトホルミンは1ヶ月で何キロ痩せますか?
A.1ヶ月では大きな変化は期待できず、0〜1kg程度が現実的です。メトホルミンは即効性のある薬ではなく、効果を判断するには最低3〜6ヶ月の継続が必要です。「1ヶ月で5kg痩せる」といった期待は現実的ではありません。1ヶ月で「痩せない」と諦めるのは早すぎます。体重計の数字に変化がなくても、血糖値の安定や食欲の変化など、体の中では変化が始まっていることがあります。
Q2. メトホルミンの効果はいつから出ますか?
A.食欲抑制は2〜4週間で感じる人もいますが、体重減少は3〜6ヶ月継続が目安です。臨床試験では26週後(約6ヶ月)から有意な減量効果が確認されています。早い人では1〜2ヶ月で食欲の変化や体調の改善を感じますが、体重が目に見えて減るには時間がかかります。焦らず継続することが大切です。
Q3. メトホルミンとリベルサスはどちらがダイエット効果が高いですか?
A.一般的にリベルサス(GLP-1受容体作動薬)の方がダイエット効果が高いとされています。リベルサスは強力な食欲抑制効果があり、「お腹が空かなくなった」と実感する人が多いです。一方、メトホルミンは効果がマイルドで、食欲への影響は限定的です。ただし、リベルサスは月額8,000〜30,000円と高価なため、コストとの兼ね合いで選択する必要があります。まずはメトホルミンを試して、効果がなければリベルサスへの変更を検討するのも一つの方法です。
Q4. メトホルミンは保険適用されますか?
A.メトホルミンは2型糖尿病の治療では保険適用されますが、ダイエット目的での使用は自由診療(保険適用外)となります。そのため、全額自己負担となります。ただし、自由診療でも月2,000〜3,000円程度と比較的安価なので、経済的な負担は大きくありません。オンラインクリニックでも処方を受けられます。
Q5. メトホルミンは通販で購入できますか?
A.メトホルミンは処方箋医薬品であり、医師の診察と処方が必要です。国内で処方箋医薬品を通販サイトから購入することは薬機法違反となる可能性があります。ただし、オンライン診療を利用すれば自宅から診察を受けて処方してもらうことは可能です。スマホやPCで診察を受け、薬は自宅に配送されるので、忙しい方でも利用しやすいです。必ず正規の医療機関で処方を受けてください。
Q6. メトホルミンを飲んでも痩せない場合はどうすればいい?
A.まずは以下の5つの対処法を試してみてください。①服用期間を3〜6ヶ月継続する(短期間で諦めない)、②医師に相談して用量を見直す(増量で効果が出ることも)、③食事内容を見直す(糖質制限、食べ順の工夫)、④有酸素運動を取り入れる(週3回30分程度)、⑤他の薬との併用や変更を検討する(GLP-1受容体作動薬など)。これらを試しても効果がない場合は、メトホルミンが体質に合っていない可能性があります。医師と相談して、リベルサスなど他の選択肢を検討しましょう。
