貧血と診断される基準値を解説します!ヘモグロビン濃度以外の数値にも着目|医療法人良樹会T内科クリニック堺院|堺市北区新金岡町の内科・訪問診療

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医療コラム

貧血と診断される基準値を解説します!ヘモグロビン濃度以外の数値にも着目|医療法人良樹会T内科クリニック堺院|堺市北区新金岡町の内科・訪問診療

貧血と診断される基準値を解説します!ヘモグロビン濃度以外の数値にも着目

もしかしたら、最近疲れやすい、息切れしやすい、めまいがする、顔色が悪いなど体調に不安を感じていませんか?
これらの症状は貧血のサインかもしれません。
そこで、今回は貧血の診断基準について具体的な数値を交えながら解説します。
自身の状態を把握し、適切な対応につなげるためにもぜひ最後まで読んでみてください。

□貧血の診断基準

*貧血の診断基準となる数値 ヘモグロビン濃度

貧血とは、血液中の赤血球の数が減少したりヘモグロビン濃度が低下したりすることで、全身に十分な酸素が供給されなくなる状態です。
このヘモグロビン濃度は、貧血の診断における最も重要な指標といえます。
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれるタンパク質で、酸素と結合して全身に酸素を運ぶ役割を担っています。
そのため、ヘモグロビン濃度が低いと体内に十分な酸素が行き渡らず、様々な症状が現れるのです。
さらに、ヘモグロビン濃度の低下は、酸素供給不足による倦怠感やめまいなどの症状を引き起こす可能性があります。
日頃から自身のヘモグロビン濃度に注意を払うことが健康管理において重要といえます。

*診断基準の数値は年齢と性別で異なる

貧血の診断基準となるヘモグロビン濃度は、年齢と性別によって異なります。
一般的に、成人男性では13.0g/dL未満、成人女性では12.0g/dL未満、妊婦では11.0g/dL未満が貧血と診断される目安となります。
また、小児の場合は年齢によって基準値がさらに細かく設定されており、医師の判断が必要となります。
これは、年齢や性別によって体の発育状態や生理的な変化が異なるためです。
そのため、必要なヘモグロビン濃度も変わってくるのです。
自身の年齢と性別に合わせた基準値を理解することが重要といえます。
さらに、定期的な健康診断で自身のヘモグロビン濃度を確認することで、貧血の早期発見につながります。

*貧血の診断はヘモグロビン濃度だけで判断される

貧血の診断は、基本的にヘモグロビン濃度を基準に行われます。
しかし、ヘモグロビン濃度が基準値を下回っていても、自覚症状がなければすぐに治療が必要となるわけではありません。
医師は、ヘモグロビン濃度だけでなく患者の症状、病歴、その他の血液検査の結果などを総合的に判断します。
そして、治療の必要性や適切な治療法を決定するのです。
自己判断で貧血と決めつけず、医療機関を受診して適切な診断を受けることが大切です。
また、貧血の背景には様々な原因が考えられるため、医師による正確な診断が重要となります。

□貧血の診断基準でヘモグロビン濃度以外の数値は?

*ヘマトクリット値とは

ヘマトクリット値とは、血液中に占める赤血球の容積の割合を示す数値です。
ヘモグロビン濃度と同様に、貧血の診断や重症度の評価に用いられます。
ヘマトクリット値が低い場合は、赤血球の数が減少しているか赤血球の大きさが小さくなっている可能性が考えられます。
また、ヘモグロビン濃度と合わせてヘマトクリット値を調べることで、貧血の種類や原因を特定する手がかりとなります。
脱水症状などでもヘマトクリット値は変動するため、総合的な判断が重要です。

*赤血球数とは

赤血球数は、血液1μL中に含まれる赤血球の数を示す数値です。
貧血の診断において、赤血球数はヘモグロビン濃度やヘマトクリット値と共に重要な指標となります。
赤血球数が減少している場合は、骨髄での赤血球産生が低下しているか、赤血球の破壊が亢進している可能性が考えられます。
例えば、再生不良性貧血や溶血性貧血などが原因として挙げられます。

*平均赤血球容積 MCV とは

平均赤血球容積(MCV)は、赤血球の平均的な大きさを示す数値です。
MCVは、貧血の種類を分類する際に重要な指標となります。
例えば、MCVが低い場合は小球性貧血、正常範囲内であれば正球性貧血、高い場合は大球性貧血の可能性が示唆されます。
MCVを調べることで、貧血の原因を絞り込むことができます。
さらに、MCVは鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血などの鑑別に役立ちます。

*平均赤血球血色素量 MCH とは

平均赤血球血色素量(MCH)は、赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビンの平均量を示す数値です。
MCHは、赤血球の色素の濃さを反映しており、MCHが低い場合は低色素性貧血、正常範囲内であれば正色素性貧血の可能性が示唆されます。
MCHもまた、貧血の種類を分類し原因を特定する上で重要な情報となります。
例えば、鉄欠乏性貧血ではMCHが低下する傾向があります。

□まとめ

今回は、貧血の診断基準について、ヘモグロビン濃度を中心とした具体的な数値やその他の関連する血液検査の項目について解説しました。
貧血の診断は、これらの数値を総合的に判断して行われます。
もし、貧血の疑いがある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し適切な検査と診断を受けるようにしましょう。
さらに、日常生活における食生活や睡眠などの生活習慣の改善も貧血予防に繋がります。