血液検査で好中球が高い原因と対処法病気の可能性も解説
- 2025年10月25日
- お知らせ
血液検査の結果で好中球の数値が高いと、不安になる方も多いのではないでしょうか。
好中球は白血球の一種で、体内に侵入した細菌と戦う重要な役割を担っています。
そのため、数値が高いということは、何らかの異常が体内で起きている可能性を示唆していると言えるでしょう。
今回は、血液検査で好中球の数値が高い原因、その状態が体に及ぼす影響、そして好中球の数値を下げるための方法について解説します。
血液検査で好中球が高い原因
細菌感染症
好中球の数値が高い最も一般的な原因は、細菌感染症です。
細菌感染症にかかると、体を守るための免疫反応として好中球が大量に産生され、血液中に増加します。
感染部位や細菌の種類によって症状は様々ですが、発熱、倦怠感、痛み、炎症などが見られることが多く、感染部位によっては膿の排出など特有の症状が現れることもあります。
また、細菌感染症の種類によっては重篤な状態に陥る可能性もあるため、早めの治療が重要となります。
さらに、適切な抗生物質による治療を行うことで、感染症の治療とともに好中球の数値も正常な範囲に落ち着いてくるのです。
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病は、骨髄の造血幹細胞の異常によって引き起こされる血液のがんです。
この病気では、好中球などの白血球が過剰に増殖するため、血液検査で好中球の数値が高くなることが特徴です。
初期症状は軽微で、自覚症状がない場合も多いですが、進行すると倦怠感、発熱、体重減少、脾腫などが現れることがあります。
一方で、慢性骨髄性白血病の治療には、主にチロシンキナーゼ阻害剤という分子標的薬が用いられます。
この薬によって、白血球の異常増殖を抑えることができ、患者の予後を改善することが期待できます。
真性多血症
真性多血症は、骨髄で赤血球、白血球、血小板が過剰に生産される病気です。
この病気でも、好中球の数値が高くなることがあります。
症状としては、顔面紅潮、頭痛、めまい、吐き気、視力障害などが見られることがありますが、初期症状は軽微な場合も多く、自覚症状がないこともあります。
例えば、健康診断の血液検査で初めて発見されるケースも少なくありません。
真性多血症の治療は、血液を抜く瀉血療法や、骨髄の造血機能を抑制する薬物療法などが行われ、患者の状態に合わせて最適な治療法が選択されます。
急性出血や溶血
急性出血や溶血でも、好中球の数値が一時的に上昇することがあります。
急性出血では、体から血液が失われることで血液を補うために骨髄で造血が促進され、好中球の数値が高くなります。
また、溶血では、赤血球が破壊されることで、同様に造血が促進され、好中球の数値も増加することがあります。
これらの場合、出血や溶血が原因で好中球の数値が高くなっているため、根本原因である出血や溶血の治療が重要となります。
さらに、適切な処置を行うことで、好中球の数値も正常な範囲に戻ることが期待できます。

好中球が高いとどうなるの?
感染症への抵抗力が高まることも
好中球の数値が高い状態は、必ずしも悪いことばかりではありません。
例えば、細菌感染症への抵抗力が一時的に高まる場合もあります。
これは、体内で細菌と戦うための好中球が十分に存在していることを示しているためです。
しかし、この状態が長く続く場合や、他の症状を伴う場合は、更なる検査が必要となるでしょう。
好中球の増加は、感染症に対する防御反応である一方、慢性的な炎症や他の疾患の兆候である可能性もあるため、注意が必要です。
放置すると重篤な病気に繋がることも
好中球の数値が高い状態が長く続いたり、他の症状(発熱、倦怠感、体重減少など)を伴う場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。
特に、慢性骨髄性白血病や真性多血症などの血液疾患は、放置すると重篤な状態に進行する可能性があるため、早期発見・早期治療が重要となります。
例えば、定期的な健康診断や血液検査を受けることで、早期発見に繋がり、適切な治療を受ける機会が増えるといえます。
自覚症状がない場合も多い
好中球の数値が高い状態は、必ずしも自覚症状を伴うとは限りません。
多くの場合、血液検査で初めて異常が判明します。
そのため、定期的な健康診断や血液検査を受けることが、早期発見・早期治療につながり、重大な病気を予防する上で非常に重要といえます。
また、自覚症状がないからといって安心せずに、自身の健康状態を定期的に確認することで、健康維持に繋がるのです。

好中球を下げるには
原因疾患への治療
好中球の数値が高い原因が特定できる場合は、その原因疾患に対する治療が最も重要です。
細菌感染症であれば抗生物質による治療、慢性骨髄性白血病であれば分子標的薬による治療など、疾患によって適切な治療法が異なります。
また、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従うことが重要です。
適切な治療を受けることで、好中球の数値の正常化が期待できるだけでなく、合併症のリスクを減らすことにも繋がります。
生活習慣の改善
健康的な生活習慣を心がけることも、好中球の数値を正常に保つ上で重要です。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠など、基本的な生活習慣を見直すことで、免疫機能の向上に繋がります。
また、過度なストレスや不規則な生活は、免疫機能の低下を招く可能性もあるため、注意が必要です。
さらに、禁煙や節酒なども、健康維持に大きく貢献するでしょう。
血液検査の再検査で経過観察
好中球の数値が高い場合、一度の血液検査だけで判断するのではなく、定期的に再検査を行い、数値の変化や他の症状の有無などを確認することが重要です。
経過観察によって、病気の進行状況を把握し、適切な治療方針を決定することができます。
また、医師とのコミュニケーションを密にすることで、不安や疑問を解消し、治療に積極的に取り組むことができるでしょう。
まとめ
血液検査で好中球の数値が高い場合は、細菌感染症など比較的軽症な疾患から、慢性骨髄性白血病や真性多血症などの重篤な疾患まで、様々な可能性が考えられます。
数値が高い状態が続く場合や、他の症状を伴う場合は、医療機関を受診し、原因を特定し、適切な治療を受けることが非常に重要です。
また、健康的な生活習慣を心がけることで、免疫機能の維持・向上に努めることも大切なのです。
