【要注意】GLP-1ダイエットの副作用と危険性|自己判断で使うと何が起きる?医療的リスクを解説
- 2025年12月17日
- メディカルダイエット

※画像はイメージです
SNSや美容クリニックの広告で話題なのがGLP-1ダイエットです。
「痩せる注射」「飲むだけで痩せる薬」として注目を集めていますが、本来は糖尿病治療薬であり、ダイエット目的での使用には様々なリスクが伴います。
2025年4月には、PMDA(医薬品医療機器総合機構)がGLP-1受容体作動薬のダイエット目的での使用について正式に注意喚起を発出しました。
この記事では、GLP-1ダイエットの危険性と副作用を医療的観点から徹底解説します。
自己判断での使用がなぜ危険なのか、どんな副作用があるのか、安全に使用するためにはどうすればいいのかを詳しく説明します。
※ 本記事で取り扱う薬品は処方箋医薬品のため、医師の診察・処方が必要です。
※ 本記事で紹介する価格は2025年11月現在の情報です。
※ ダイエット目的での使用は適応外使用となり、保険適用外(自費診療)です。
目次
GLP-1ダイエットとは?危険性を理解するための基礎知識
GLP-1ダイエットを正しく理解するためには、まずその仕組みと使われる薬剤について知ることが重要です。
GLP-1受容体作動薬は本来、2型糖尿病の治療を目的として開発された医薬品であり、ダイエット目的での使用は「適応外使用」に該当します。
GLP-1受容体作動薬の仕組みと効果
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をすると小腸から分泌されるインクレチンホルモンの一種です。
GLP-1受容体作動薬は、このホルモンの働きをまねて食欲を抑え、血糖値も調整することで、体重を減らす効果が期待できる薬です。
具体的には以下のような作用があります。
GLP-1受容体作動薬の主な作用
- 脳の食欲中枢に作用して満腹感を持続させ、食事量を自然に減らす
- 胃の排出速度を遅くし、食後の血糖値の急上昇を抑制する
- 膵臓(すいぞう)からのインスリン分泌を促進し、血糖コントロールを改善する
- グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)の分泌を抑制する
これらの作用により、GLP-1受容体作動薬は糖尿病患者の血糖値改善と体重減少に効果を発揮します。
しかし、健康な人が使用した場合の長期的な安全性は十分に確認されていない点に注意が必要です。
GLP-1ダイエットで使われる主な薬剤
GLP-1ダイエットでは、以下の薬剤が主に使用されます。
いずれも本来は2型糖尿病治療薬として承認されたものであり、ダイエット目的での使用は適応外となります。
■主なGLP-1受容体作動薬の比較
| 薬剤名 | 成分名 | 投与方法 | 日本での承認状況 |
|---|---|---|---|
| リベルサス | セマグルチド | 経口薬(1日1回) | 2型糖尿病治療薬として承認 |
| オゼンピック | セマグルチド | 皮下注射(週1回) | 2型糖尿病治療薬として承認 |
| マンジャロ | チルゼパチド | 皮下注射(週1回) | 2型糖尿病治療薬として承認※GLP-1とGIPの両方に作用 |
| ウゴービ | セマグルチド | 皮下注射(週1回) | 肥満症治療薬として承認※BMI35以上等の基準あり |
| サクセンダ | リラグルチド | 皮下注射(1日1回) | 日本では未承認※海外では肥満症治療薬として承認 |
※2025年12月時点
リベルサスは世界初の経口GLP-1受容体作動薬として注目を集めています。
オゼンピックとマンジャロは週1回の注射で済むため、利便性が高いとされています。
なお、2024年2月に承認されたウゴービ(セマグルチド)は、日本で初めて肥満症治療薬として正式に承認されたGLP-1受容体作動薬です。
ただし、BMI35以上または高度の肥満症と診断された患者のみが対象であり、一般的なダイエット目的での使用は認められていません。
本来は糖尿病治療薬である点に注意
GLP-1受容体作動薬は、日本では2型糖尿病治療薬としてのみ承認されており、ダイエット目的での使用は「適応外使用(オフラベル使用)」に該当します。
適応外使用には以下のようなリスクがあります。
適応外使用のリスク
- 健康な人への長期的な安全性が確認されていない
- 保険適用外のため、全額自己負担となる
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性がある
- 糖尿病患者への医薬品供給に影響を与える恐れがある
GLP-1ダイエットの危険性|知っておくべき重大リスク
GLP-1ダイエットには、規制当局からの警告や医学会からの注意喚起が出されるほどの重大なリスクがあります。
安易に始める前に、これらの危険性を十分に理解することが重要です。
糖尿病患者以外への使用は安全性が未確認
GLP-1受容体作動薬は糖尿病患者を対象に臨床試験が行われており、健康な人への長期的な安全性は十分に確認されていません。
糖尿病患者以外が使用する場合、以下のようなリスクがあります。
糖尿病患者以外への使用リスク
- 承認時の臨床試験は2型糖尿病患者が対象であり、健常者のデータは限定的
- 糖尿病でない人が使用した場合の低血糖リスクが高まる
- 長期使用による未知の副作用が発生する可能性がある
- 体質や既往歴によっては重篤な健康被害を引き起こす恐れがある
日本糖尿病学会は「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」(2023年11月28日改訂)において、糖尿病ではない人へのダイエット目的での処方について強く懸念を表明しています。
参考:日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」
PMDAが警告する「ダイエット薬」としての使用リスク
PMDA(医薬品医療機器総合機構)は2025年12月1日に「GLP-1 受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用に関するお知らせ」という注意喚起を発出しました。
GLP-1受容体作動薬等は、2型糖尿病の治療を目的として承認された医療用医薬品です。
これらの医薬品を糖尿病治療以外の目的(ダイエット等)で使用した場合、適正使用時には想定されない健康被害が発生する可能性があります。
また、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
参考:PMDA「GLP-1 受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の 適正使用に関するお知らせ」
自己判断での使用がなぜ危険なのか
自己判断でのGLP-1受容体作動薬の使用は、禁忌事項の見落とし、適切な用量調整の欠如、副作用発生時の対応困難など、複合的なリスクを伴います。
医師の診察を受けずに使用すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
自己判断使用の危険性
- 甲状腺疾患、膵炎の既往歴など禁忌事項の確認ができない
- 個人の体質や既往歴に応じた用量調整ができない
- 副作用が出た場合の適切な対処ができない
- 他の薬との相互作用のチェックができない
- 定期的な検査(血液検査等)による経過観察ができない
特に、甲状腺髄様癌の既往歴や家族歴がある人は、GLP-1受容体作動薬の使用が禁忌とされています。
これは動物実験で甲状腺C細胞腫瘍の発生率増加が報告されているためです。
医師の診察にかかることなく、これらの禁忌に当てはまるかどうかを正確に判断することはできません。
GLP-1ダイエットの副作用一覧|よくある症状から重篤なケースまで
GLP-1受容体作動薬には、消化器症状から膵炎(すいえん)・胆嚢炎(たんのうえん)といった重篤なものまで、様々な副作用が報告されています。
使用を検討する前に、これらの副作用について十分に理解しておくことが重要です。
消化器症状(吐き気・便秘・下痢)
悪心(吐き気)・嘔吐・便秘・下痢などの消化器症状は、GLP-1受容体作動薬で最も多く報告される副作用であり、使用者の10~30%に発生するとされています。
これらの症状は以下のような特徴があります。
消化器症状の特徴
- 悪心(吐き気):最も多い副作用で、特に投与初期に顕著
- 嘔吐:悪心に伴って起こることがある
- 便秘:胃腸の運動が遅くなることで発生
- 下痢:腸管への作用により発生
- 腹部膨満感:胃の排出遅延による
これらの症状は多くの場合一時的なもので、継続して使用することにより症状が軽減していくケースが多いと言われています。
しかし、症状が強い場合や長期間続く場合は医師に相談することが重要です。
副作用から脱水症状を引き起こす可能性もあるため、十分な水分補給を心がけてください。
低血糖のリスクと症状
GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げる作用があるため、重篤な低血糖を引き起こすリスクがあります。
特に糖尿病治療薬との併用や過度な食事制限には注意が必要です。
低血糖の主な症状
- 冷や汗
- 動悸(ドキドキする)
- 手の震え
- 空腹感
- めまい・ふらつき
- 意識障害(重症の場合)
GLP-1受容体作動薬単独での低血糖リスクは比較的低いとされていますが、SU剤(スルホニル尿素薬)やインスリンと併用すると、低血糖のリスクが大幅に増加します。
また、GLP-1受容体作動薬服用中に過度な糖質制限を行うことも危険です。
重症な低血糖は意識障害を引き起こし、最悪の場合は命に関わる可能性があります。
低血糖の症状が出た場合は、直ちにブドウ糖やジュースを摂取して糖分を補ってください。
膵炎・胆嚢炎などの重篤な副作用
GLP-1受容体作動薬では、膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などの重篤な副作用が報告されており、添付文書で「重大な副作用」として記載されています。
■GLP-1受容体作動薬の重篤な副作用
| 副作用名 | 主な症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 急性膵炎 | 激しい腹痛、背中の痛み、嘔吐 | 直ちに使用中止し、医療機関を受診 |
| 胆嚢炎・胆管炎 | 右上腹部の痛み、発熱、黄疸 | 直ちに使用中止し、医療機関を受診 |
| 胆汁うっ滞性黄疸 | 皮膚や白目の黄染、かゆみ | 直ちに使用中止し、医療機関を受診 |
| アナフィラキシー | 呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下 | 直ちに救急車を呼ぶ |
| 腸閉塞 | 激しい腹痛、嘔吐、排便停止 | 直ちに医療機関を受診 |
※2025年12月時点 参考:各薬剤添付文書(PMDA)
特に注目すべきは、2024年に胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸が添付文書の「重大な副作用」に追記された点です。
これは、市販後の使用実績から新たなリスクが判明したことを意味します。
また、動物実験では甲状腺髄様癌のリスクが報告されており、甲状腺髄様癌または多発性内分泌腫瘍症候群2型の既往・家族歴がある人は使用を避けるべきとされています。
副作用が出やすい人の特徴
膵炎・胆嚢疾患の既往歴がある人、甲状腺疾患のある人、高齢者などは副作用リスクが高いとされています。
以下に該当する人は、GLP-1受容体作動薬の使用について特に慎重な判断が必要です。
■副作用リスクが高い人
| 該当者 | リスクの内容 |
|---|---|
| 膵炎の既往歴がある人 | 膵炎が再発するリスクが高まる |
| 胆石症・胆嚢疾患がある人 | 胆嚢炎・胆管炎のリスクが高まる |
| 甲状腺疾患がある人 | 甲状腺髄様癌のリスク(動物実験で報告) |
| 重度の腎機能・肝機能障害がある人 | 薬剤の代謝・排泄に影響し、副作用リスクが高まる |
| 高齢者 | 消化器症状や脱水のリスクが高まる |
| 妊娠中・授乳中の女性 | 胎児・乳児への影響が不明 |
参考:各薬剤添付文書の禁忌・慎重投与欄
GLP-1ダイエットで危険な使い方|絶対に避けるべきこと
GLP-1ダイエットには、特にリスクが高まる使用方法があります。以下のような使い方は絶対に避けてください。
個人輸入・通販サイトでの購入リスク
個人輸入や通販サイトでのGLP-1受容体作動薬の購入は、偽造品リスク、品質管理の問題、法的リスクがあり、絶対に避けるべきです。
個人輸入のリスク
- 偽造医薬品のリスク:有効成分が含まれない、または有害物質が混入している可能性
- 品質管理の問題:適切な温度管理がされていない可能性(特に注射剤)
- 法的リスク:GLP-1薬の転売は薬機法違反(2024年7月に刑事事件化)
- 救済制度の対象外:健康被害が発生しても公的救済を受けられない
- 禁忌事項の確認不可:医師の診察なしでは安全性を確認できない
厚生労働省も「個人輸入される医薬品等の危険性」として注意喚起を行っています。
海外から個人輸入した医薬品による健康被害は、年々増加傾向にあります。
2024年7月には、GLP-1受容体作動薬を無許可で転売したとして刑事事件化した例もあります。
参照:日本経済新聞
安全性が確認されていない経路で入手した医薬品の使用は、自分自身の健康を著しく害するリスクがあることを認識してください。
糖質制限ダイエットとの併用
極端な糖質制限との併用は、重篤な低血糖を引き起こす危険があり、避けるべきです。
GLP-1受容体作動薬には血糖値を下げる作用があります。
極端な糖質制限により血糖値が低い状態にある場合、薬剤の作用でさらに血糖値が低下し、重症低血糖を引き起こす可能性があります。
糖質制限との併用リスク
- 極端な糖質制限で血糖値が低い状態に、薬剤の作用が加わる
- 重症低血糖は意識障害を引き起こす可能性がある
- 最悪の場合、死亡リスクもある
- 日本糖尿病学会も併用について注意喚起を行っている
GLP-1受容体作動薬を使用する場合は、極端な糖質制限は避け、バランスの取れた食事を心がけてください。食事制限を行う場合は、必ず医師に相談してください。
過度な運動との組み合わせ
過度な無酸素運動や長時間の運動は、低血糖リスクを高め、脱水症状との相乗効果で危険です。
過度な運動のリスク
- 運動により血糖値が消費され、GLP-1の血糖降下作用との相乗効果で低血糖リスクが高まる
- 嘔吐・下痢などの消化器症状がある場合、脱水リスクが増加
- 激しい運動は筋肉減少(サルコペニア)のリスクも
- 特に食事量が減っている状態での激しい運動は危険
GLP-1受容体作動薬を使用中に運動を行う場合は、適度な有酸素運動(ウォーキング等)にとどめ、十分な水分補給を行ってください。
運動の強度や頻度については医師と相談することをおすすめします。
処方対象外の人が使用するリスク
禁忌事項に該当する人がGLP-1受容体作動薬を使用すると、重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。
■GLP-1受容体作動薬の禁忌事項
| 禁忌事項 | 理由 |
|---|---|
| 甲状腺髄様癌または多発性内分泌腫瘍症候群2型の既往・家族歴 | 動物実験で甲状腺C細胞腫瘍の発生率増加が報告 |
| 本剤成分に対する過敏症の既往 | アナフィラキシー等の重篤なアレルギー反応の危険 |
| 糖尿病性ケトアシドーシス | インスリン治療が必要な病態であり、GLP-1単独では対応不可 |
| 重症感染症、手術前後、重篤な外傷 | インスリン治療による血糖管理が必要 |
| 妊婦または妊娠している可能性のある女性 | 胎児への影響が不明 |
参考:各薬剤添付文書の禁忌欄
これらの禁忌事項は、医師による問診・診察で確認されます。
自己判断で使用すると、禁忌事項に該当していても気づかないまま使用してしまうリスクがあります。
GLP-1ダイエットを安全に行うためのポイント
GLP-1ダイエットをどうしても行いたい場合は、リスクを最小限にするための具体的な対策を講じることが重要です。
信頼できる医療機関での処方を受ける
医師が常駐し、対面またはオンラインで適切な診察を行う医療機関で処方を受けることが、安全なGLP-1ダイエットの大前提です。
信頼できる医療機関の特徴
- 医師による問診で禁忌事項・既往歴を確認してくれる
- 個人の体質・既往歴に応じた処方を行ってくれる
- 血液検査などで事前にリスク評価を行ってくれる
- 副作用発生時に相談できる体制がある
- 適正な価格設定である(極端に安い場合は注意)
オンライン診療を利用する場合は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいて運営されているクリニックを選びましょう。
オンライン診療の指針チェックポイント
- リアルタイムの映像・音声を使った診療であること。
- 触診できない限界とリスクを事前に説明すること。
- 初診の処方では患者の既往歴や薬歴などを十分把握していること。
- 初診では慎重を要する薬の処方を避けていること。
- 急変時にすぐ受診できる医療機関で対面対応できる体制があること。
- 医療情報を守り、安全な環境で診療が行われていること。
問診だけで簡単に処方してくれる医療機関は避けるべきです。
医師の指示に従った用量調整
自己判断での用量変更は重篤な副作用リスクを高めるため、必ず医師の指示に従ってください。
用量調整の重要性
- GLP-1受容体作動薬は段階的に増量するのが基本(急激な増量は危険)
- 急激な増量は消化器症状を悪化させる
- 過量投与は低血糖リスクを高める
- 効果が感じられない場合も自己判断で増量しない
例えば、リベルサスは3mg→7mg→14mgと段階的に増量することが添付文書で定められています。
「早く痩せたい」という理由で自己判断で用量を増やすことは絶対に避けてください。
副作用が出た場合の対処法
軽度の消化器症状は経過観察で対応できますが、重篤な症状が出た場合は直ちに医療機関を受診してください。
■副作用別の対処法
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| 軽度の悪心・嘔吐 | 少量ずつ食事を摂り、十分な水分補給を行う。症状が続く場合は医師に相談 |
| 低血糖症状(冷や汗、動悸、手の震え) | 直ちにブドウ糖やジュースを摂取。症状が改善しない場合は医療機関を受診 |
| 激しい腹痛(膵炎の疑い) | 直ちに使用中止し、医療機関を受診 |
| 黄疸(肝機能障害の疑い) | 直ちに使用中止し、医療機関を受診 |
| 呼吸困難・蕁麻疹(アナフィラキシー) | 直ちに救急車を呼ぶ(119番) |
副作用が出た場合は、自己判断で対処せず、処方を受けた医療機関に連絡することが重要です。
特に激しい腹痛や黄疸、呼吸困難などの症状が出た場合は、命に関わる可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
定期的な診察とフォローアップの重要性
定期的な診察と検査により、副作用の早期発見と安全な継続使用が可能となります。
定期的な診察で確認すべきこと
- 定期的な血液検査(肝機能、膵機能、腎機能)
- 体重・体組成の変化をモニタリング
- 副作用の有無と程度の確認
- 必要に応じた用量調整
- 長期使用の場合は甲状腺の検査も
GLP-1受容体作動薬は、長期使用による未知のリスクが存在する可能性があります。
定期的な診察を受けることで、問題が発生した場合に早期に対応することができます。
GLP-1ダイエットを検討している方は、まず医療機関で相談することをおすすめします。
自己判断での使用は危険です。
GLP-1ダイエットの危険性に関するよくある質問
GLP-1ダイエットの危険性について、よくある質問にお答えします。
Q.GLP-1ダイエットの危険性は具体的に何ですか?
A.GLP-1ダイエットの危険性には、低血糖、膵炎、胆嚢炎、消化器症状(吐き気・便秘・下痢)などの副作用リスクがあります。
また、ダイエットのための使用は本来の用途の適応外になるため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
また、禁忌事項に該当する方が使用した場合は重篤な健康被害を引き起こすリスクがあります。
Q.GLP-1ダイエットは糖尿病じゃなくても使えますか?
A.医師の判断により自由診療として処方されることがありますが、糖尿病患者以外への長期的な安全性は十分に確認されていません。
PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)や日本糖尿病学会も、糖尿病ではない人へのダイエット目的での処方について注意喚起を行っています。
Q.GLP-1ダイエットで痩せない場合もありますか?
A.個人差があり、期待通りに痩せないケースもあります。
食欲抑制効果を感じにくい体質の人、食生活を変えない人、適切な運動を行わない人では効果が限定的です。
GLP-1受容体作動薬は「飲むだけで痩せる魔法の薬」ではなく、生活習慣の改善と併用することが重要です。
Q.GLP-1ダイエットは保険適用されますか?
A.ダイエット目的での使用は保険適用外です。
肥満症治療薬として承認されたウゴービ(セマグルチド)は、BMI35以上など厳格な基準を満たす場合のみ保険適用となります。
一般的なダイエット目的での使用は全額自己負担の自由診療となります。
Q.GLP-1ダイエットを芸能人が使っているのは本当ですか?
A.SNSなどで芸能人の使用報告がありますが、医療監督下での使用かは不明です。
芸能人が使っているからといって安全とは限りません。
個人の体質や既往歴によってリスクは大きく異なるため、他人の体験を鵜呑みにせず、医師に相談することが重要です。
Q.GLP-1ダイエットのビフォーアフターは信用できますか?
A.体験談には個人差があり、同じ結果が得られる保証はありません。
また、副作用の情報が省略されていることも多いため、過度に信用しないことが重要です。
ビフォーアフターの写真や体験談は、広告目的で誇張されている可能性もあります。
Q.GLP-1ダイエットの口コミで多い副作用は何ですか?
A.吐き気、便秘、下痢などの消化器症状が最も多く報告されています。
特に使い始めの時期に症状が強く出る傾向があります。
これらの症状は継続使用により軽減することが多いですが、症状が強い場合や長期間続く場合は医師に相談してください。
Q.GLP-1を個人輸入で購入しても大丈夫ですか?
A.絶対に避けてください。
偽造品リスク、品質管理の問題、薬機法違反のリスクがあります。
2024年には転売で刑事事件化した例もあります。
個人輸入した医薬品で健康被害が発生しても、公的な救済制度は適用されません。
Q.GLP-1ダイエットで膵炎(すいえん)になるリスクはどれくらいですか?
A.添付文書では「重大な副作用」として急性膵炎が記載されています。
発生頻度は低いですが、激しい腹痛や背中の痛みがあれば直ちに使用を中止し、医療機関を受診してください。
特に膵炎の既往歴がある人は使用に慎重な判断が必要です。
Q.GLP-1ダイエットをやめたらリバウンドしますか?
A.使用中止後にリバウンドするケースは報告されています。
GLP-1受容体作動薬は食欲を抑制する作用があるため、使用をやめると食欲が戻り、体重が増加する可能性があります。
薬に頼るだけでなく、食生活や運動習慣の改善を並行して行うことが重要です。
Q.GLP-1ダイエットと糖質制限を同時にやっても大丈夫ですか?
A.極端な糖質制限との併用は重篤な低血糖を引き起こすリスクがあり、避けるべきです。GLP-1受容体作動薬には血糖値を下げる作用があるため、極端な糖質制限と組み合わせると危険です。
医師に相談の上、バランスの取れた食事を心がけてください。
Q.GLP-1ダイエットで低血糖になったらどうすればいいですか?
A.冷や汗、動悸、手の震えなどの症状が出たら、直ちにブドウ糖やジュース(糖分を含む飲料)を摂取してください。
15分程度で症状が改善しない場合は、再度糖分を摂取するか、医療機関を受診してください。
「呼びかけに反応しない」「会話ができない」といったような意識障害が出た場合は、救急車を呼んでください。
Q.GLP-1ダイエットは何歳から使えますか?
A.18歳以上が対象とされることが多いですが、各薬剤や医療機関によって基準が異なります。
未成年や高齢者は特に慎重な判断が必要です。
成長期の若者が使用すると、発育に影響を与える可能性があるため、医師とよく相談してください。
Q.GLP-1ダイエット中に妊娠がわかったらどうすればいいですか?
A.直ちに使用を中止し、医師に相談してください。
GLP-1受容体作動薬は妊婦への使用が禁忌とされています。
動物実験で胎児への影響が報告されているためです。
妊娠を希望する場合は、使用開始前に医師に伝え、使用中止後一定期間を空けてから妊活を開始することをおすすめします。
Q.GLP-1ダイエットで副作用が出ても救済制度は使えますか?
A.ダイエット目的での適応外使用の場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
PMDAも注意喚起しています。
この制度は、医薬品を「適正に使用」した場合に適用されるものであり、承認された用途以外での使用は対象外となる場合があります。
